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敷地内に井戸がある土地は売れる?売却前に知っておきたい注意点を解説

相続した土地を売却しようとしたとき、思わぬ障害になるのが「敷地内にある井戸」の存在です。

 

一見、ただの古い設備に見えるかもしれませんが、昔から「井戸には水の神様が宿る」と言われており、井戸はただの生活設備ではなく、神聖な存在として大切にされてきました。

 

いざ土地を売却しようと思っても、「井戸は撤去すべき?」「お祓いが必要?」といった疑問が次々と浮かび、なかなか前に進めない方も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、敷地内に井戸がある土地を売却する際に必要な知識や注意点、具体的な撤去方法や売却手続きの流れまでを丁寧に解説します。

 

井戸付きの土地を相続したものの、どう対処すればいいのか分からずにお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

 

この記事でわかること
  • 井戸がある土地の売却における注意点
  • 井戸の撤去方法と費用の目安
  • 神聖な場所としての井戸への対処法

 

監修者

監修者

松屋不動産販売株式会社

代表取締役 佐伯 慶智

住宅・不動産業界での豊富な経験を活かし、令和2年10月より 松屋不動産販売株式会社 にて活躍中。それ以前は、ナショナル住宅産業(現:パナソニックホームズ)で8年間、住友不動産販売で17年間(営業10年、管理職7年)従事。

敷地内に井戸がある土地は解体してから売却するのが一般的

相続した土地に井戸が残っていると「このまま売却してもいいのか?」と不安を抱く方が多くいます。

 

実際、井戸のある土地は心理的な抵抗感から買い手がつきにくく、不動産市場でも敬遠されがちです。

 

このような背景もあり、井戸は撤去・埋め戻しをしたうえで売却するのが一般的な対応となっています。

 

具体的に行う作業は以下のとおりです。

 

井戸撤去の主な作業工程
  • お祓いの実施
  • 井戸内部の清掃
  • 息抜き作業
  • 埋め戻し作業
  • 井戸枠の撤去

 

井戸の撤去には、儀式的な処置から土木的な作業まで、いくつかの工程が必要です。

 

業者に依頼する場合、多額の費用がかかることもあるため、あらかじめ工程と予算感を把握しておくことが大切です。

お祓いの実施

井戸の撤去前には、多くの地域で「お祓い」が行われます。

 

井戸は生活に欠かせない水を長年供給してくれている存在であるため、感謝と敬意を込めて神職を招き、儀式を行うのが慣例です。

 

特に高齢者や地元住民にとっては、「井戸=神聖なもの」という認識が根強く残っているため、不安を与えないためにも儀式を行うのが安心でしょう。

 

お祓いの方法は、神社の神主に依頼して正式な「井戸祓い」を執り行うのが一般的です。

 

費用の相場は3~5万円ほどで、日取りや服装などを指定されることもあります。

 

簡易的な方法としては、塩や日本酒を撒いて手を合わせる「略式」のお清めもありますが、売却後の買主や近隣住民が気にする可能性を考えると、形式的であっても神主に依頼する方が安心です。

 

井戸内部の清掃

お祓いが終わったら、井戸の内部を清掃します。

 

井戸の底には、長年の堆積物や落ち葉、動物の死骸などがたまっていることもあり、そのまま埋め戻すと衛生面で問題が発生するリスクがあります。

 

悪臭や地盤沈下の原因にもなるため、撤去前には必ず内部のゴミや汚れを取り除きましょう。

 

清掃作業には、専用のバキューム車やポンプを用いて底の汚泥を吸い上げたり、高圧洗浄で内部をきれいにするなどの工程が含まれます。

 

井戸の深さや汚れ具合によって作業時間も異なりますが、安全かつ確実に井戸を埋めるためには欠かせない工程です。

 

地元の水道工事業者や井戸撤去専門業者に依頼するのが一般的です。

 

息抜き作業

井戸内部には空気やガスが滞留していることがあり、急に埋めると内部圧力が変化し、爆発や崩落といった事故につながる恐れがあります。

 

事故を防ぐために、埋め戻し前には「息抜き」と呼ばれる空気抜き作業を行います。

 

特に井戸が古い場合は、可燃性ガスや腐敗臭が溜まっているケースもあるため注意が必要です。

 

息抜きは、井戸内の空気を抜くためにパイプを挿し込み、数日間かけて内部の気圧を調整する方法が一般的です。

 

息抜き作業を怠ると、作業員の安全が脅かされるだけでなく、埋め戻し後の地盤沈下や異臭の発生リスクにもつながります。

 

井戸の撤去作業は、見た目以上にリスクを伴う工程であるため、プロの業者による慎重な対応が必要です。

 

埋め戻し作業

息抜きが完了すると井戸を埋め戻す作業に入ります。

 

井戸にそのまま土を入れてしまうと、雨水などで沈下が起きやすくなるため、まずは砕石や砂利などを用いて地盤の締まりを確保します。

 

底から順に層を重ねながら埋めていくことで、安定した状態をつくることができます。

 

最後は表面を土で覆い、必要に応じてコンクリートで固めて仕上げます。

 

こうすることで、見た目にも井戸があったとは分からない状態になります。

 

地盤沈下などのトラブルを避けるためにも、土質や排水環境を踏まえたうえで、専門業者が丁寧に対応することが重要です。

 

埋め戻しが不十分だと、後に建物を建てる際に不具合が生じる恐れがあるため、慎重な処理が求められます。

 

井戸枠の撤去

地上部分にあるコンクリートや石でできた「井戸枠」も忘れずに撤去します。

 

井戸の存在が地表に残っていると、「縁起が悪そう」「何か問題があった土地なのでは」といった印象を買主に与えやすく、価格交渉が難航したり、契約後の不安につながる可能性があります。

 

何もない更地として仕上げることが、円滑な売却への近道です。

 

撤去作業では、ハツリ機などを使ってコンクリートを砕き、廃材を分別・処分します。

 

撤去後の地面は、平らにならして整地しておくと見た目にもよく、不動産の印象が格段に良くなります。

 

解体や整地の費用は追加でかかりますが、買い手の安心感を得るためにも必要な工程といえるでしょう。

 

井戸がある土地を売却する際の注意点

井戸がある土地を売却する際、以下の方法を用いて買主に知らせます。

 

井戸の存在を買主に伝える方法
  • 「重要事項説明書」で井戸の存在を買主に説明する
  • 売主物件状況確認書(告知書)に井戸があることを記載する

 

井戸を撤去して更地にしたとしても、かつて敷地内に井戸があったという事実は、不動産取引において無視できません。

 

買主に対して正しく情報を開示しなければ、後で「聞いていなかった」とトラブルにつながる可能性があります。

 

「重要事項説明書」と「物件状況確認書(告知書)」について、それぞれどのように記載すべきかを詳しく解説します。

 

「重要事項説明書」で井戸の存在を買主に説明する

不動産を売却する際、宅地建物取引士が買主に交付・説明するのが「重要事項説明書」です。

 

重要事項説明書には、土地の状態や法的規制、インフラの状況などが記載されますが、井戸の存在も「ライフライン関連設備」として記載対象になります。

 

特に現存している井戸がある場合や、使用履歴が明確な場合は、必ず説明しましょう。

 

井戸が埋め戻されていたとしても、「かつて井戸が存在していた」という履歴がわかっている場合には、その旨を記載・説明しておくのがトラブル回避の基本です。

 

仮に井戸を完全に撤去していても、地盤の沈下や埋め方によるリスクなどを買主が気にすることがあるため、情報の透明性が求められます。

 

売主物件状況確認書(告知書)に井戸があることを記載する

「売主物件状況確認書(告知書)」とは、売主が土地や建物の現況や過去の状況について自己申告する書類です。

 

買主は売主物件状況確認書をもとに、心理的瑕疵や不具合の有無を把握します。

 

井戸については、「地中構造物の有無」や「過去に井戸や浄化槽があったか」といった欄に正確に記載する必要があります。

 

たとえ井戸が埋め戻されていても、「昔井戸があった」と把握している場合は必ず記載しましょう。

 

これを故意または過失で隠すと、売買契約後に買主が損害を被った場合、契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)を問われる可能性もあります。

 

正直に記載することで、買主の信頼を得られるだけでなく、自身を法的リスクから守ることにもつながります。

 

井戸付き土地を不動産仲介で売却する流れ

井戸がある土地を売却する場合、専門的な対応と法的手続きが求められるため、不動産のプロにサポートしてもらうことが重要です。

 

売却の流れは以下のとおりです。

 

井戸付き土地の売却手順
  1. 敷地内にある井戸の状態を確認する
  2. 井戸の撤去・埋め戻し作業をする
  3. 複数の不動産会社に査定依頼をする
  4. 不動産仲介会社と媒介契約を締結する
  5. 買主との交渉・売買契約書を締結する
  6. 決済・引き渡しを行う

 

このセクションでは、井戸のある土地をスムーズに売却するための具体的なステップを上記の6段階に分けてご紹介します。

 

それぞれの段階で押さえるべきポイントや注意点を理解しておくことで、後のトラブル回避にもつながります。

 

監修者

この手順を踏むことで、トラブルリスクを最小化し、適正価格での売却が実現できます

 

敷地内にある井戸の状態を確認する

まず最初に行うべきは、敷地内の井戸が「現存している」のか、「すでに埋め戻されている」のかを確認することです。

 

井戸の深さ・構造・水質などの情報もわかれば、不動産会社にとっても評価しやすくなります。

 

古い資料が残っていれば用意しておき、業者に現地調査を依頼するのも有効です。

 

また、井戸の用途(飲料用、生活用水、防火用など)が明確であるかどうかもポイントです。

 

現存していて使用中の井戸がある場合は、法令や条例によって撤去に許可が必要なこともあるため、事前に市区町村役場に確認しておくと安心です。

 

井戸の撤去・埋め戻し作業をする

現存している井戸が不要である場合、売却前に撤去・埋め戻しを行います。

 

井戸を残したまま売却することも可能ではありますが、買主が心理的に敬遠するケースが多いため、先に対応しておく方が早期の売却につながりやすくなります。

 

近隣住民との関係性を考慮し、事前に挨拶や説明をしておくとトラブル防止にもつながるでしょう。

 

埋め戻しの際は、冒頭でも解説したように「お祓い」「清掃」「息抜き」「埋め戻し」「枠の撤去」の5ステップを踏むのが一般的です。

 

費用や作業日数は井戸の大きさや状態によって異なるため、複数の業者から見積もりを取り、内容を比較すると良いでしょう。

 

複数の不動産会社に査定依頼をする

井戸の撤去作業が完了したら、次は土地の査定を行います。

 

1社だけでなく、複数の不動産会社に査定を依頼するのがポイントです。

 

会社によって地域の相場観や販売戦略が異なるため、査定額や対応の質にも差が出やすいです。

 

また、「井戸を撤去済みであるか」「埋め戻し報告書があるか」なども査定額に影響します。

 

井戸があったことをしっかり伝えたうえで、適正な評価をしてくれる不動産会社を選びましょう。

 

不動産会社選びで、今後の売却活動がスムーズに進むかどうかが決まってきます。

 

監修者

井戸付き物件の売却実績が豊富な会社は、適切な価格設定と効果的な販売戦略を持っています。査定時には「過去に井戸付き物件をいくつ売却したか」を必ず質問してください。

 

不動産仲介会社と媒介契約を締結する

査定の結果、信頼できる不動産会社が見つかったら、媒介契約を結びます。

 

媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、それぞれ情報の公開範囲や報告義務に違いがあります。

 

項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
他業者への仲介依頼 可能 不可 不可
自己発見取引(自分で入居者を見つけた場合の直接契約) 可能 可能 不可
募集状況の報告 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
レインズへの登録期限 登録義務なし 契約締結後7営業日以内 契約締結後5営業日以内
契約期間の上限 制限なし 3ヶ月以内 3ヶ月以内

 

例えば、「一般媒介契約」は複数の不動産会社に同時に依頼できるため、より多くの買主にアプローチできる反面、各社の営業意欲に差が出ることがあります。

 

一方、「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」は1社に任せる分、広告活動や買主への対応が一貫しやすく、進捗報告の義務もあるため状況を把握しやすいという利点があります。

 

ただし、他社との併用ができないため、売却のスピードや営業力は不動産会社の力量に左右されます。

 

どの契約が向いているかは、「早く売りたい」「いろんな会社を試したい」など、売主自身の考え方や状況によって変わります。

 

契約前にそれぞれのメリット・デメリットを丁寧に説明してくれる業者を選ぶと安心です。

 

また、媒介契約を結ぶ際は、敷地内に井戸があること、あるいはすでに撤去・埋め戻し済みであることを、不動産会社に正確に伝えておきましょう。

 

こうした情報は物件資料や重要事項説明書に反映され、買主とのトラブル防止につながります。

 

正確な情報共有こそが、信頼できる売却活動の土台となります。

 

買主との交渉・売買契約書を締結する

販売活動を進めていく中で買主が見つかると、価格や引き渡し条件などの具体的な交渉に入ります。

 

井戸がある、あるいはかつて存在していた土地については、その事実を正しく伝えることが非常に重要です。

 

契約書や重要事項説明書に井戸に関する情報を明記し、買主が後から「聞いていなかった」と感じることがないようにしておきましょう。

 

また、井戸をすでに撤去している場合は、撤去業者からの「埋め戻し報告書」や作業写真などの資料を提示すると、買主の不安を和らげる効果があります。

 

井戸跡地の地盤保証の有無や、建築時に影響がないかどうかなども話題に上ることがあるため、事前に確認しておくとスムーズに対応できます。

 

不安要素を残さず、情報をオープンに伝えることが、円満な契約につながるポイントです。

 

決済・引き渡しを行う

売買契約が成立した後は、残代金の支払いや所有権移転の登記手続き、土地の引き渡しへと進みます。

 

引き渡し時には、井戸の撤去状況や整地の仕上がりを現地で確認し、買主との間で認識のズレがないことをしっかり確認しておくことが大切です。

 

ここでの最終確認を怠ると、引き渡し後に「話が違う」とトラブルに発展するリスクが高まります。

 

また、埋め戻し済みの井戸について不安を感じる買主には、事前に地盤調査結果や施工報告書を提示しておくと、安心して引き渡しを受けてもらえる可能性が高まります。

 

決済・引き渡しの場面では、物件の状態が約束通りであることを示すためにも、写真や書面などの資料を用意しておくとスムーズです。

 

最後まで誠実な対応を心がけることが、信頼関係の維持と満足度の高い取引につながります。

 

敷地内に井戸がある土地を売却する際によくある質問

井戸付きの土地を売却しようと考えたとき、はじめての経験ゆえにさまざまな疑問や不安が生じる方も多いでしょう。

 

以下では、売主がよく直面する代表的な疑問のひとつ「井戸の存在に告知義務はあるのか?」について、法的な観点と実務的な対処方法をわかりやすく解説します。

 

不動産で井戸があると告知義務はある?

はい、井戸がある、または過去に存在していた土地には原則として「告知義務」があります。

 

井戸は地中構造物に該当し、心理的な瑕疵と受け取られる可能性もあるため、買主に正確な情報を提供することが法律上求められます。

 

告知を怠ると、契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)を問われ、損害賠償や契約解除に発展するケースもあります。

 

告知の方法としては、「売主物件状況確認書(告知書)」への記載と、「重要事項説明書」での明示が一般的です。

 

たとえ井戸を埋め戻していても、その土地に井戸があったことを知っている限り、正直に記載・説明しておくのが安全策です。

 

埋め戻し報告書や写真を用意しておくと、買主の不安を和らげ、スムーズな契約につながります。

 

井戸付きの土地の売却を検討の方は松屋不動産販売がおすすめ

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敷地内に井戸がある土地の売却には、通常の不動産取引とは異なる知識と対応が求められます。

 

お祓いや撤去作業の手配、告知義務への対応、埋め戻し後の買主への説明など、売主一人で対応するには負担が大きいのが実情です。

 

だからこそ、特殊事情にも精通した不動産会社のサポートを受けることが重要です。

 

松屋不動産販売では、相続や井戸付きの土地といった「ワケあり不動産」の売却にも多くの実績があります。

 

井戸の撤去手配や、法的説明のアドバイス、必要書類の準備までワンストップで対応。複雑な事情を抱えた土地でも、安心して売却できるよう丁寧にサポートいたします。

 

地元密着で培ったネットワークを活かし、買主との信頼関係を大切にした取引が強みです。

 

まとめ

井戸がある土地は、一般的な土地と比べて売却が難しそうに感じるかもしれません。

 

しかし、正しい手順で井戸を撤去し、必要な告知を行えば、問題なく売却することが可能です。

 

逆に情報を隠したり、対応を怠ったりすると、後々のトラブルにつながります。

 

不安がある方は、まずは実績豊富な不動産会社に相談することから始めましょう。

 

松屋不動産販売なら、井戸付きの土地にも対応した柔軟な売却サポートが可能です。

 

「相続で取得したがどうすればいいか分からない」そんな時こそ、専門家に任せてスムーズな売却を実現しましょう。

 

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